<原著論文>家族は本当に多様化したのか? : 家族多様化論再考
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概要
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本論の目的は, いわゆる家族多様化論の真偽と問題点を, 現代日本の家族を対象に, その実態一家族形態と家族意識一と照らし合わせながら検証することである。方法としては, 家族多様化に関する代表的な文献で使用されている概念や事例, データ等を比較検証し, 考察を行った。その結果, 主として次のことが明らかになった。第1に, 家族形態に関しては, 従来型の家族形態概念に依拠する限り, 明確な多様化を確認するには限界がある。第2に, 家族意識に関しては, 多様化を示す事例を確認できるが, 質的研究が多いため, いまだ一般化は困難である。第3に, 核家族の代替として家族多様化論者の多くが提起する個人の主観的構成体としての家族は, 多様化を無制限に具現化するわけではない。第4に, 近代社会の理念からすれば, 主観的構成体としての家族は近代主義的理念を純化・強化し, イデオロギー面での家族の一様化をもたらす可能性がある。
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