<研究論文>化学誘発大腸癌発生におよぼすワカメ食の影響
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概要
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本研究は生活習慣病の一つである大腸癌の発生を抑制する食事中の因子を検索するために行った。日本人が好んで食べている海藻の「ワカメ」の摂取が長寿に関与している可能性を予想し,大腸癌発生の抑制に対する影響を知るためにラットにおけるモデル実験を行った。Fischer 344系雄ラット64匹を次の4群に分けた。1群:生理食塩水-セルロース食 2群:DMH-セルロース食 3群:生理食塩水-ワカメ食 4群:DMH-ワカメ食 初期の4週間は化学誘発大腸癌発生のためのイニシエーション期間とし,標準飼料で飼育した。その間,2群と4群にはDMHを週2回皮下注射した。なお,1群と3群には生理食塩水を同様に注射した。その後の35週間をプロモーション期間としてセルロースあるいはワカメを5%レベル含む高脂肪食で飼育した。セルロース食(1群,2群)にくらべて,ワカメ食(3群,4群)の糞中水分合有が高く,腸内通過時間は短縮され盲腸内容物中の短鎖脂肪酸が有意に高値を示した。化学誘発大腸癌の発生率は無繊維食48.4% (著者の一人,康が先に報告した)に対してワカメ食が28.0%,セルロース食が28.6%を示した。ワカメ食もセルロース食も明らかに大腸癌の発生を抑制することがわかった。
- 福岡女子大学の論文
- 2003-03-20
著者
-
亀井 文
大阪市立大学大学院生活科学研究科
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鈴木 康之
近畿大学医学部第一病理学
-
鈴木 康之
近畿大学医学部 第一病理
-
片山(須川) 洋子
福岡女子大学大学院人間環境学研究科
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原 みずほ
大阪市立大学大学院生活科学研究科
-
康 薔薇
大阪市立大学大学院生活科学研究科
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鉄口 宗弘
大阪市立大学大学院生活科学研究科
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藤永 奈都子
福岡女子大学大学院人間環境学研究科
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