発達性言語障害における語理解の成立と前言語的行動の関連について

概要

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発達性言語障害児において語の理解力の獲得と関係する前言語的行動の発達について検討した.18症例に田口による「言語発達質問紙」を実施した.最初に, 「語の理解」の得点と「言語行動の基礎をなすと思われる行動」における各下位カテゴリーの得点の相関を検討した.次に対象児を語理解成立群/未成立群に分類し, 「言語行動の基礎をなすと思われる行動」の各項目の通過/未通過に関し, これらの両群で有意差の見られた項目を抽出した.さらに, 短期間に著明な言語発達上の進歩があった一症例(症例8)について初回評価時と再評価時を比較検討した.結果は以下のとおりであった.まず, 「語の理解」と「人に対する関心」および「認知・表象能力」の間に高い相関が認められた.そして, 語理解成立に関連する項目として13項目が抽出された.13項目のうち6項目は「指さし」, 2項目は「模倣」, 2項目は「象徴遊び」に分類できると考えられた.語理解成立と「指さし」および「模倣」には統計的に強い関連が見られた.症例8は「指さし」, 「模倣」, 「象徴遊び」と語理解における進歩が同時に見られた.これらの結果より, 「指さし」, 「模倣」, 「象徴遊び」などの前言語的行動は語理解の成立と強く関わることが示唆された.

発達性言語障害における語理解の成立と前言語的行動の関連について

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