高齢者における展望的記憶の検討 : とくに存在想起と内容想起の違いについて
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概要
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高齢者の展望的記憶を評価し,他の神経心理学的検査や局所脳血流,日常生活場面での問題点との関係を検討した.対象は"もの忘れ"外来を受診した50名で,診断名はアルツハイマー病25名,血管性認知症14名,Mild cognitive impairment (MCI)7名,健常者4名であった.展望的記憶は日本版リバミード行動記憶検査の"持ち物"課題を用い,内容を自発的に思い出すこと(存在想起)と,なすべく行動の内容を覚えておくこと(内容想起)を評価した.その結果,認知症では存在想起と内容想起の両者が障害されるのに対し,MCIや健常者での内容想起は保たれることが多かった.存在想起は,右頭頂葉〜角回,前頭葉内側部,左右海馬など大脳の広範な部位の局所脳血流と,内容想起は右海馬の局所脳血流と関連を認めた.生活健忘チェックリストでは,本人の自己評価では差を認めなかったが,家人の評価では存在想起,内容想起ともに関連を認め,日常生活場面での問題が明らかとなった.
- 2006-07-18
著者
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山田 裕子
川崎医科大学附属病院 リハビリテーション科
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種村 純
川崎医療福祉大学医療技術学部感覚矯正学科
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種村 純
川崎医療福祉大学
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種村 純
川崎医科大学附属川崎病院 リハビリテーション科
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大沢 愛子
川崎医大川崎病院 リハビリテーション科
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大沢 愛子
川崎医療福祉大学 大学院医療技術学科
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前島 伸一郎
川崎医科大学附属川崎病院 リハビリテーション科
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大沢 愛子
川崎医科大学リハビリテーション科
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山田 裕子
倉敷リハビリテーション病院リハビリテーション科
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前島 伸一郎
川崎医療福祉大学
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山田 裕子
倉敷リハ病院リハ科
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種村 純
川崎医療福祉大学 医療技術学部感覚矯正学科
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川原田 美保
川崎医科大学附属川崎病院
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川原田 美保
川崎医科大学附属川崎病院 心療科
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