荏油の保存性向上実験
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概要
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近年栄養学特性から, 荏油などの高リノレン酸油脂の摂取が推奨されるようになった.しかし荏油は酸化安定性が悪く, 他の食用油に比べ保存性が良くない.さらに有効な抗酸化剤の報告もあまりない.そこで今回の実験で荏油について, 低温及び室温での保存性を荏油単独・他の食用油との混合・カテキンをはじめとする抗酸化剤の添加試験などを行い, 経日的に過酸化物価を測定して保存性の向上を検討した.低温保存試験では, 荏油に米油を混合したものに酸化遅延効果が, カテキンを添加したものに酸化防止効果が認められた.室温保存試験においては散光下, 遮光下, 容器の違い, いずれの場合でもカテキンが荏油に与える酸化防止効果が認められた.また, カテキンの添加量がある程度多い方が酸化防止効果も高いことも分かった.しかし散光下では低温保存試験と違い, 米油との混合油に酸化遅延効果が見られなかった.抗酸化剤添加効果については, ミックストコフェロール・ビタミンCパルミテートがハイオレイン型べに花油に対し顕著な効果を与えたにもかかわらず, 荏油に対してはカテキンおよびゲル化油程の効果は見られなかった.
- 名古屋文理大学短期大学部の論文
- 2001-03-31
著者
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