過酸化物価簡易測定法による食用油および乳化型ドレッシングの酸化安定性評価
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概要
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我々は鉄チオシアネート法を改良して,比色法でPV値を求める鉄チオシアネート新法(PV*法)を以前報告した.この方法の特徴は,(1)試料採取重量(g)と比色法での吸光度のみで,PV値を求めることができる.(2)少量の試料で測定できること.試料採取量は,0.01gから0.10g(標準採取量50mg)で,酢酸−イソオクタン法の試料採取量0.5〜5gに比較して約50分の1である.またPV 0〜100meq/kg(過酸化物量0〜1000neq)の範囲が測定可能である.(3)10mLと少量の溶媒ですみ,酢酸−イソオクタン法の50mLに比較して5分の1でよい.(4)多数の試料をこなすことができる.(5)窒素ガスは不要である.(6)溶媒は蒸留して再使用できる4).本検討では,PV*法が少量の試料採取量で迅速にPVを測定できる簡便法であり,分析精度もPV法に比較して遜色ないことが確認できた.発色液の放置時間中における吸光度の変化について調査した.発色させてから50分後経過した時点から値が若干大きくなる傾向が認められたが,5分から30分の間で吸光度の変化はほとんど認められなかったことから,発色から吸光度測定までの最適時間は10分と考えられる.またヨードメトリー法で終点が判定しにくい焙煎ゴマ油やエゴマ油にも適用できる.PV*法はドレッシングのような食用油以外の油脂食品の酸化安定性試験への適用が期待できる.ただしPV*法は,PVが1〜2あるいは1以下と低い場合に変動率が高くなる傾向があるので,低PV値での精度向上の検討を行う予定である.
- 社団法人 日本食品科学工学会の論文
- 2007-08-15
著者
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市川 和昭
名古屋文理大学
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市川 和昭
名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科
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長谷川 静香
名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科
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藤田 奈々
名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科
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渡邉 紘子
名古屋文理大学健康生活学部健康栄養学科
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