Troilus and Criseydeにおける「夜」と「夜明け」
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概要
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チョーサーの『トロイルスとクリセイデ』における重要な時間構造のひとつは一日を構成する昼夜の連続である。その中で特に「夜」と「夜明け」はトロイルスとクリセイデが唯一束の間の愛の喜びを味わえる一時であり,また,物語に負わされているトロイ盛衰という宿命と呼応するように展開する愛の宿命的破局と深く係わる時間帯ともなっている。愛の喜びが悲しみに変わる本詩3巻のクライマックスに「夜明けの歌」が2つ導入されていることは既に指摘されている。本稿では特に「夜」と「夜明け」が作中どのように機能しているのか,また,その象徴的な意味も探ってみた。
- 宝塚造形芸術大学の論文
- 1999-03-31
著者
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