蚊類幼虫の塩分耐性に関する研究 I
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概要
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淡水で累代飼育中のアカイエカ(Cpp),チカイエカ(Cpm),ヒトスジシマカ(Aalb),トウゴウヤブカ(At)の4令中期の幼虫を種々の濃度の人工海水に移し,体液中のNa,Clの濃度を原子炉中性子による放射化分析法で測定した。体液濃度の維持についてみると,Atは異常にすぐれた調節能力を持っている。他はAalb,Cpm,Cpm,Cppの順に塩分調節能力は弱くなる(図4〜7)。NaとClの濃度変化の速度は,使用した4種の幼虫のすべての場合にClの方がNaよりも速く(図4〜7),このことから水の輸送に並行して,イオンそのものの輸送もおこなわれていることになる。23℃の淡水で飼育したトウゴウヤブカ(At)の4令中期の幼虫を,種々の温度の150%海水に移すと,はじめの10時間はNa,Clとも異常に体液濃度が上昇する(図8〜12)。このような海水中での生活に適用した生理機構を持つようになるまでには,生活に適した水温で,約10時間以上の時間を必要とする。
- 宝塚造形芸術大学の論文
- 1987-03-25
著者
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