<論文>内観サークル運動における男性性の諸問題
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概要
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ジェンダー(社会的文化的性差)の研究において,「宗教とジェンダー」の実証研究は最も開拓が遅れている分野である。なかでも,「宗教と男性」は「宗教と女性」という研究テーマに隠れて,実証研究がとりわけ遅れている研究領域である。この論文は,内観法(浄土真宗から派生した母子関係を重視する心理療法・人格修養法)を用いた現代日本のサークル運動を具体的事例として,「宗教と男性問題」を論じようとするものである。研究対象である内観サークル運動「エルランティの光」では,女性参加者と異なり男性参加者に対しては,「オトコを崩せ」という指導がしばしば行われる。「意識にはオトコもオンナもない」とされ,男性の競争心(戦う心・争う心)が厳しい「心理療法的心なおし」の対象とされる。この論文では,「オトコを崩せ」という指導の実際を紹介する。そして,そうした指導法を指導者の中年期における回心体験と関係付けて説明する。中年期は,「男らしさ」に対する関わり方の上で生活史上大きな転換点である。最後に,内観サークル運動がメンス・ムーブメントと異なり「生き方の型」をもっていることの意義を論じる。
- 愛知学院大学の論文
- 2001-09-20
著者
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