<論文>心理技術的な明るさの追求について : 競争社会との関連において
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概要
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1970年代以降の先進産業社会では,心理技術的な明るさの追求が大衆レベルで流行している。本稿の目的は,この流行の社会学的背景に関する島薗氏の説明を部分的に批判しながら発展的に解消ずることにある。島薗氏は,先進産業社会においては救済宗教の人気が後退しているとして,それと同時に心理技術的な明るさの追求が流行する理由を,先進産業社会における私事悪の増大に求めた。それに対して筆者は,救済宗教の人気は必ずしも後退しておらず,心理技術的な明るさの追求が流行する背後には不安と恐怖の広がりがあり,また不安や恐怖は競争選抜社会を徹底化した先進産業社会における心理的プレッシャーの増大によるものであることを,各種の実証データを用いながら主張する。最後に,競争選抜社会の徹底化に対して,先進産業社会の宗教界の一部に反競争主義とでも呼ぶべき流れがあることを指摘する。
- 愛知学院大学の論文
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