結紮損傷後の抹消神経再生過程におけるN/R型カドヘリンおよびα-E/α-N型カテニンの発現について

概要

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ニワトリの坐骨神経を用い正常な末梢神経,および損傷後の再生末梢神経におけるN型/R型カドヘリンおよびα-E型/α-N型カテニンの発現を免疫組織化学的に観察し,末梢神経でのカドヘリンおよびカテニンによる接着機構に検討を加えた。1)正常末梢神経では,無髄神経において,N型カドヘリンと同様に,R型カドヘリン,およびα-N型カテニン,α-E型カテニンが軸索シュワン細胞間の接着に大きな役割を果たしていることが解ったが,有髄神経の軸索-シュワン細胞間においては,これらの接着分子は存在していなかった。また再生末梢神経においてもN型カドヘリンと同様に, R型カドヘリン,α-N型およびα-E型カテニンが再生軸索間の接着に大きな役割を演じていることが解った。2)末梢神経において,正常時の無髄神経および再生軸索の中で,N型あるいはR型どちらか一方のカドへリンのみを発現していうものはなく,これらの接着分子の住分けは認められなかった。3)α-N型カテニン,α-E型カテニンが細胞質内に拡散して発現していることから,上皮系組織とは異なり,これらの分子の一部は膜上のカドヘリンとは離れて存在し,接着活性の増減を調整しているものと考えられた。
神戸大学の論文