保育園児の前歯部咬合状態と口腔習癖に関する22年の推移 : 仙台市保育園児における断面調査の比較

概要

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幼児における乳歯列前歯部咬合状態ならびに口腔習癖の発現頻度および年次推移を知る目的で, 1972年から1993年までの22年間に仙台市北地区の13保育園において口腔内診査と口腔習癖の調査を受けた園児の中から3,4,5歳児を対象に, 診査初年度から3年ごとの口腔診査記録を用いて調査集計し, 以下の結果を得た。1)正常咬合はどの年度も全ての年齢群で5〜6割を占めた。2)不正咬合を種類別にみると, 年度によって多少順位は異なるが, 開咬と切端咬合がやや多かった。3)開咬の年次推移をみると, 3歳, 4歳児群にわずかな増加の傾向が示された。4)切端咬合の年次推移をみると, 5歳児群で70年代後半より増加が見られた。5)前歯部咬合状態を年齢別にみると, どの年度も開咬が増齢とともに減少し, 切端咬合が5歳児群のみで増加した。6)口腔習癖は, ほとんどが吸指癖で占められ, 咬爪癖その他の習癖は極端に少なかった。7)吸指癖の発現率は全ての年齢群で, 70年代から80年代初頭にかけて減少し, その後の80年代では増加した。8)吸指癖の発現率を年齢別にみると, どの年度も3歳児が最高値を示し, 次いで4歳児, 5歳児の順で, 増齢とともに減少した。
東北大学の論文