黒毛和種幼若雄ウシにおける精巣細胞の分化に関する組織学的研究
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概要
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黒毛和種雄ウシの精巣を生後1~4および8ケ月に採取し,ブアン固定,パラフィン切片作製後,ヘマトキシリン・エオシン染色した。精巣重量および精細管の大きさとともに精細管におけるセルトリ細胞と生殖細胞の形態および分布に関して月齢の進行にともなう変化を調べた。1ケ月齢の精巣に占める精細管の割合は23%であった。1,2ケ月齢の精細管にはセルトリ細胞と胚芽細胞のみ存在した。3ケ月齢の精細管には胚芽細胞,精祖細胞および精母細胞が観察され,生殖細胞に占める割合は52.8,38.9,8.3%であった。4ケ月齢における精巣重量は1ケ月齢の10倍に増加した。精細管に占めるセルトリ細胞の割合は93.5%であった。4ケ月齢の精細管には胚芽細胞,精祖細胞と精母細胞が観察され,生殖細胞に占める割合は3.4,88,8.6%であった。8ケ月齢における精巣重量は1ケ月齢の約34倍であった。精巣に占める精細管の割合は53%に増加した。精細管に占めるセルトリ細胞の割合は36.3%に低下した。8ケ月齢の精細管には胚芽細胞は観察されなかった。8ケ月齢において精祖細胞,精母細胞,精子細胞および精子が生殖細胞に占める割合は12.9,41.6,36.3,9.2%であった。精子は8ケ月齢の精巣上体に存在した。本研究では3ケ月齢の黒毛和種雄ウシにおける胚芽細胞から精祖細胞への分化,3~8ケ月齢における精子発生,8ケ月齢における精子の管腔への放出と精巣上体への移動の開始を確認できた。黒毛和種雄ウシはホルスタイン種とほぼ同時期かあるいはやや早期に精子形成を開始することが示唆された。
著者
-
有馬 博
信州大学附属農場
-
大島 浩二
信州大 農
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大島 浩二
信州大学農学部
-
濱野 光市
信州大学 農学部
-
濱野 光市
信州大学農学部附属農場
-
濱野 光市
信州大学附属農場
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濱野 光市
日本農産工業
-
斎藤 治
信州大学農学部附属農場
-
濱野 光市
静岡大学 農学部
-
齋藤 治
信州大 農
-
大島浩二 [他]
信州大学農学部食料生産科学科動物資源生産学講座
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