ウズラ松果体の孵化後の発達に関する電子顕微鏡学的研究
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概要
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1-6週齢のウズラ松果体は多数の胞胞状構造から成り, それらは主として, 松果体細胞と支持細胞から構成されていた. 孵化1日齢のウズラ松果体で観察された松果体細胞の規則正しい平行層板構造から成る外節や多数のグリコゲン果粒と滑面小胞体から成るパラボロイドはその後, 速やかに退化消失した. それらに代わって, 1週齢以後, 松果体細胞の外節に相当するうずまき状の層板構造物が濾胞腔内に発達し, 内節に相当する先端突起内や核上部にはミトコンドリア, 核上部にはさらにライソゾームも徐々に増加した. 1週齢の松果体細胞の基底突起内には有芯小胞やシナプスリボンが多数存在し, 以後, 顕著な変化は認められなかったが, 支持細胞に存在する暗調小体は徐々に増加した. さらに, 濾胞状構造の基底側に多数の色素果粒含有細胞が島状に集り, メラニンと考えられるそれらの色素果粒は, 1週齢以後, 徐々に大形, 円形になった. このように, 松果体細胞の外節のうずまき状層板構造物, 先端突起や核上部のミトコンドリア, 基底突起内のシナプスリボン及び色素果粒含有細胞のメラニン色素などは, 光受容性構造であり, 一方, 松果体細胞の有芯小胞やライソゾーム及び支持細胞の暗調小体などは分泌性構造と考えられ, それらば孵化後の成長に伴って, 変化することが明らかになった. さらに, それらの構造に関して, ウズラ松果体はニワトリのものより活動的な様相を呈しているようであった.
- 1993-12-15
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