絶食および再給餌後のニワトリ肝臓におけるインスリン様成長因子I(IGF-I)の局在 : 抗原賦活化免疫組織化学法による証明(解剖学)
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概要
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絶食および再給餌後のニワトリ肝臓におけるインスリン様成長因子I(IGF-I)の局在を抗原賦活化免疫組織化学法により明らかにした.本研究は, ニワトリ肝臓におけるIGF-Iの局在を解明した最初のものである.IGF-I免疫陽性反応は, 対照鶏および再給餌鶏の肝臓から作製されたパラフィン切片上で検出されたが, 抗原賦活化剤による処理が必要であった.IGF-I免疫陽性反応を示す細胞は, 肝細胞と見られる比較的大型で多角形の細胞であった.これらの免疫反応陽性細胞は, 対照鶏の肝臓実質内に散在して観察された.反応産物は, 免疫反応陽性肝細胞の細胞質内に顆粒状の構造物として認められた.免疫反応陽性細胞数は, 再給餌鶏の肝臓で増加していた.これらの肝細胞では反応産物が, 顆粒状の構造物とともに細胞質内に充満していた.しかしながら再給餌鶏においても免疫反応陽性肝細胞は, 実質内に散在して認められ, 特定の分布様式を示さなかった.なお絶食鶏の肝臓では明らかなIGF-I免疫陽性反応は認められなかった.これらの所見は, IGF-Iがニワトリ肝細胞に存在し, 栄養状態の影響を受けることを示す.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-04-25
著者
-
長尾 健二
名古屋大学大学院農学研究科生命技術科学生物生産技術科学講座動物生産科学第1研究分野
-
平松 浩二
信州大学農学部
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喜多 一美
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
喜多 一美
名古屋大学大学院生命農学研究科附属農場:(現)岩手大学農学部
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喜多 一美
名古屋大学 農
-
平松 浩二
信州大学農学部食料生産科学科動物生体機構学研究室
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