<原著>基礎看護学の臨地実習と認識の発展 : 第1期生臨地実習評価の分析と考察(看護学)
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概要
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わが国における看護学教育は,1951年保健婦助産婦看護婦学校養成所指導規則の施行によって始まったが,以来,社会・経済情勢や関連科学の発達に呼応して教授の改善か行われてきた。1997年,21世紀を目前にして第13次の改善が行われたところである。看護学の教育方法は,従来から講義,演習,学内学習,臨地実習とを組み合せ実施している。この教育方法は実は認識の過程,すなわち感性的認識から論理的認識の発展に大きな意味をもつ。本科においても,基礎看護学の臨地実習を1年次にI・IIに分け段階的に組み入れているが,この実習は看護を学び始めた学生が初めて看護実践の場で,学内で学んだ基礎的看護技術を対象に適応し,その相互作用を通して,看護を実感するものであり,認識の第1歩としてきわめて重要な意義をもっている。今回研究としてまとめた基礎看護学実習IIは「対象の日常生活援助の必要性を見い出し,可能な範囲で援助を行い,その評価をする」ものである。学生たちの実習結果から,まず「対象を理解する」ことが重要であり,このことが,その後の看護援助行為と評価に深く影響することが解った。この結果は「理論」→「実践」→「理論」→「実践」と段階的に展開する看護学教育の現場において役立つものと考える。今後は,教授=学習過程をより充実させるために,学習者に適した教材の研究と教授方法の開発に努めたい。
- 足利短期大学の論文
- 1998-03-15
著者
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