国頭マージ締固め土の透水係数の異方性について(生産環境学科)
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概要
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締固めた土の透水係数の異方性については,締固め土のミクロな構造論から,層状不均一の発生論までいろいろ論議されている。この研究では,締固めた試料を深さごとに細かく密度を測定することによって,締固めエネルギーの伝播が深さ方向に急速に低減することを明らかにした。またそのことは透水係数の異方性が,主として成層構造からくる層状不均一性によることを裏付けるものと判断している。この研究で得られたことをまとめてみると以下のようになる。1. 土の密度は,旧JISの試験法によるモールドの内部でも大きな不均一を生ずる。不均一性の程度は,最適含水比の乾燥側で大きく,反対に湿潤側では小さく出る傾向にある。2. 直径10cmのモールドの一層締固めの結果は,壁面摩擦もあるが,締固め荷重の到達は22cm程度の深さにあった。3. 圧密試験による透水係数は練り返し試料については,実測値とよく一致するが,風乾土および加水により含水比調整をした試料については大きな差異を生じた。4. 国頭マージの透水係数の異方性は,K_vに対してK_hはせいぜい2倍程度であった。しかし成層構造の不均一性を考慮すると,転圧時の巻き出し厚によっては問題になるほど大きくなる可能性がある。以上の結果を得たが,これらに対して実際に現場で対応できることは,巻き出し厚を薄くすることと,異方性を防ぎ得る施工機械の選定であろうと考える。
- 琉球大学の論文
- 1991-12-04
著者
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