琉球石灰岩の有効空隙率と圧縮強度
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概要
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地下ダム建設の基礎資料とするため、宮古島と来間島を結ぶ来間大橋付近の海底から採取した琉球石灰岩の棒状コアの空隙率、有効空隙率、圧縮強度について明らかにし、それらの相互関係について検討を行った。得られた主な結果は次のようである。(1)石灰岩の空隙率と有効空隙率は場所によって大きく異なり、堆積深度の違いより再結晶の程度の違いに大きく依存する。(2)宮古島・来間島の琉球石灰岩の空隙率、有効空隙率、圧縮強度はそれぞれ5〜40%、3〜35%、16〜480kgf/cm^2の範囲で大きく変化し、全試料の平均値はそれぞれ18.8%、12.3%、232kgf/cm^2である。(3)空隙率、有効空隙率、圧縮強度は石灰岩の種類でも異なり、砂質石灰岩の方がさんご石灰岩より空隙率や有効空隙率が大きく、圧縮強度は小さい傾向にある。(4)石灰岩の圧縮強度は乾燥密度や空隙率との相関が良く、圧縮強度は乾燥密度の増加あるいは空隙率の減少に伴って大きくなる。(5)宮古島・来間島の石灰岩の圧縮強度と乾燥密度の関係および圧縮強度と空隙率の関係はそれぞれ指数近似式で表される。また、その圧縮強度と空隙率の関係は沖縄島の琉球石灰岩の関係と類似している。なお、地下水による炭酸カルシウムの溶解による空洞部分は流入粘土が充填していなければ当然、自由水が貯留されるため、石灰岩地盤の有効空隙率を大きく左右することになる。したがって、有効空隙率を精度よく決定するには膨大な調査データあるいは実験データが必要となるため、経済性を考えれば地盤環境が類似する既設の地下ダムの有効空隙率を参考にする方が得策である。最後に、この研究を進めるにあたり、ボーリングコアを提供して頂いた沖縄県宮古農林土木事務所に謝意を表します。
- 琉球大学の論文
- 2003-12-01
著者
-
小宮 康明
琉球大学農学部生産環境学科
-
宮城 調勝
琉球大学農学部生産環境学科
-
小宮 康明
琉球大学農学部
-
小宮 康明
琉球大農学部
-
小宮 康明
琉球大学農学部農業工学科
-
小宮 康明
琉球大学 農学部
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