東南極,エンダービーランド,ナピアーコンプレックスから採集された始生代岩石の古地磁気学的研究(英文)

概要

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南極, エンダービーランド, ナピアーコンプレックスから採集された岩石について古地磁気学的研究を行った。その結果, 5個の試料は, 交流消磁, 熱消磁および磁気履歴特性の測定から, 安定な自然残留磁気(NRM)を持つことが判明したが, 残りの5個の試料のNRMは不安定であった。安定なNRMは単磁区-擬単磁区構造の磁鉄鉱が担っているが, 一部は磁硫鉄鉱が担っている。最もNRMの方位のばらつきが小さいのは480℃で熱消磁したときで, その平均のNRMの方位は伏角-82.9°, 偏角39.3°, α_<95>=8.2°であった。この値から計算される見かけの磁極(VGP)の位置は, 南緯75.0°, 東経14.5°である。おそらくこのNRMはナピアーコンプレックスが経験した最後の熱変成(2.45-2.5b.a.)のときに獲得したと思われる。しかしそのVGPの値は同時期のパイパーのパンゲア, オーストラリア, それにアフリカから求められているVGPの値とは一致しない。このことは, もしNRM獲得年代に問題がなければ, 2.5b.a.には南極, オーストラリアそれにアフリカの大陸はお互いに独立して存在していたと思われる。
国立極地研究所の論文