10代の文法と言語変異 : 東京語格助詞「を」 ゼロマーク化データから
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概要
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近年欧米の計量社会言語学では、言語習得について数多くの研究がなされつつあり、幼児期においてすでに大人の変異が習得されている事実を見出し、また逆に一生近くかかって習得される変異の存在を明らかにしている。しかしながら、例え10代であっても、20代以上の話者の文法とは根本的な差があるとする考えもある。ここでは 10代の文法に的を絞り、東京語格助詞「を」の変異データに基づいて10代の変異状況を調べることで、20代以上の「大人」と10代の文法の差異を探る。方法としては、「を」の変異の中心的要因であった、「目的語名詞句と動詞の隣接性」、「目的語名詞句の形式差」、「スタイル差」の3要因について10代話者内のゆれ、そして大人話者との差異を検討する方法を採用した。結論として、大人話者で強力な要因であるものは10代話者でも同様な働きをしているが、スタイルのような社会性の高いものになると両者間で乖離が見られるということが明らかになった。
- 神戸松蔭女子学院大学の論文
- 1999-03-21
著者
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