スギ間伐材を用いた配向性パーティクルボードに関する研究(第 3 報) : ボードの材質に及ぼす接着剤の添加量の影響(林学部門)
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概要
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スギ間伐材からストランド・パーティクルを作製し, 接着剤としてユリア樹脂(UF), メラミン・ユリア共縮合樹脂(UMF), フェノール樹脂(PF)およびイソシアネート樹脂(IC)の4種類, 含脂率を3,5,10,15%の4水準に設定して配向性およびランダムに配向させた12mm厚の単層ボードを製造した。配向性ボードの平均配向角は約10度であった。いずれのボードともに, また配向性およびランダムボードともに, 曲げ性能およびはく離強度は含脂率が増加するとともにほぼ直線的に増加した。また常態曲げ性能は, 接着剤が異なってもそれほど大きな差異はない。また, 配向性ボードの平行方向の曲げ強度は, ランダムボードのそれの約2倍, 配向性ボードの異方度は約5∿6である。いずれの接着剤の場合も, また配向性およびランダムボードともに, 厚さ膨張率は含脂率の増加とともに減少する傾向を示し, ICボードの寸法安定性が良好であった。配向性ボードの平行方向の吸湿板面寸法変化率は0.02∿0.09%の範囲にあり, 供試接着剤の種類や含脂率にはあまり影響されない。また, ランダムボードのそれは0.05∿0.11%, 配向性ボードの直交方向のそれは0.52∿1.02%であり, 含脂率の増加とともにやや寸法変化率が減少する傾向がみられた。
- 1995-11-30
著者
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矢野 浩之
京都大学木質科学研究所
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矢野 浩之
京都府立大学農学部木質材料学研究室
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梶田 煕
京都府立大学農学部森林科学科
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朴 厚植
京都府立大学農学部木質材料学研究室
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矢野 浩之
京都府立大学農学部
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矢野 浩之
京大 木質科研
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梶田 煕
京都府立大学農学部
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朴 厚植
京都府立大
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梶田 煕
京都府立大学
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