<短報>学生の看護観の発展過程に関する研究 : 4年次生臨地実習報告書の質的分析をとおして
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概要
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本研究の目的は, 4年次における実習報告書の質的分析から, 学生の看護観の発展過程を明らかにし, 教育課程との関連を点検・評価することである。学生より提出された実習報告書15事例を研究対象に分析を行った。分析対象となった2事例の中, 臨地実習のねらいに即して最も典型的でありかつ対象に良い変化をもたらしたと思われた1事例の分析結果より, 学生の看護観の発展過程の特徴として以下のことが明らかになった。・実習初期の段階で, 《三重の関心》を注ぐ思考のプロセスを修得していた。・実習初期の段階で, 《三重の関心》を注ぐ《訓練をする》こと, そしてその過程を《自己評価》していくこと, すなわち, 実践方法論の適用の意味に気づき, その理論を, その後の実習で意識的に活用していた。・第一の関心の注ぎかたの特徴から, 専門的知識の強化と健康な部位を含めた全人的な像の形成という課題を確認できた。・実習初期の段階で, 看護に最も必要とされる立場の変換能力を修得していた。・看護の対象を, 家族全体としてとらえるという認識が形成されていた。・情報の共有とチームによる協働が看護の質を高めるという気づきから, チーム医療の中の専門職者としての自己の位置づけを明確にしていた。以上より, 実習初期の段階で, 看護を展開する技術論としての実践方法論の意識的活用を促すことと自己評価能力を高める実習・授業展開が重要であるとの示唆を得た。
- 宮崎県立看護大学の論文
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