<原著>疾走速度に関係する体力要素の検討
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概要
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本研究では, 平成11年度及び12年度M県陸上競技短距離およびハードルの国体代表選手男子12名の70m走の全力疾走の疾走速度を測定し, その速度に関係があると思われるジャンプ能力と最大無酸素性パワーの体力要素について調査した。そして疾走速度との相関関係を調べ, 100m走のパフォーマンスに深い関係のある, 疾走中の最大速度に関係する体力要素を検討した。以下に, 今回明らかになった知見をまとめる。1)立幅跳, 立三段跳共に, 疾走速度と有意な相関を示した(立幅跳 : r=0.596,p<0.05,立三段跳 : r=0.621,p<0.05)。その理由として, これらのジャンプ運動は, 水平方向への跳躍であることから, 疾走運動に共通する動作を多く含んでいるためと考えられた。2)振込動作を行う, 行わないに関わらず, 垂直跳は疾走速度とは有意な相関はみられなかった。これは, 垂直跳の離地するまでの接地時間が長いこと, 短距離走とキックの特性が違うことが理由として考えられた。3)リバウンドドロップジャンプは, 振込動作を行ったジャンプの跳躍高だけが, 疾走速度と有意な相関を示した(r=0.624,p<0.05)。リバウンドドロップジャンプ指数が低い相関を示したのは, 被験者のほとんどが, トレーニングで筋の伸張-短縮形のジャンプ運動を実施していないことによると考えられた。4)最大無酸素性パワーは, 疾走速度と有意な相関は示さなかったが, 体重あたりの最大無酸素性パワーは有意な相関を示した(r=0.587,p<0.05)。以上のことから, 最大疾走速度9.02〜10.20m/sの男子短距離・ハードル選手を対象の場合, 疾走速度に関係する体力要素は, (1)立幅跳, 立三段跳, (2)振込動作を行うリバウンドドロップジャンプの跳躍高, (3)体重あたりの最大無酸素性パワーであり, 疾走速度が速いほどこれらの数値が高くなる傾向がみられた。
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