加熱処理による母乳中のマウスノロウイルスの不活化効果
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概要
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母乳がヒトノロウイルス(HuNoV)に汚染された場合には,乳児に甚大な健康被害をもたらすことが懸念されるため,適切な感染予防策の構築が求められる.しかしながら,HuNoVは未だ細胞培養系が確立されていないため,その不活化条件については十分な知見が得られていない.本研究では,HuNoVに遺伝的に近縁且つ細胞培養可能なマウスノロウイルス(MNV)を代替ウイルスとして使用し,母乳中のMNVに対する加熱処理の不活化効果を評価した.その結果,母乳中のMNVは65℃以上1分間の加熱で99.9%(3 log10)以上不活化することが判明した.HuNoV感染予防の観点から見た母乳等の加熱処理の条件として,65℃以上且つ1分間以上で不活化が可能と思われる.
- 日本環境感染学会の論文
- 2011-04-15
著者
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清水 優子
藍野大学藍野健康科学センター
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牛島 廣治
藍野大学藍野健康科学センター
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北島 正章
東京大学大学院工学系研究科
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遠矢 幸伸
日本大学生物資源科学部獣医学科
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早川 有子
群馬パース大学保健科学部
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早川 有子
群馬パース大学保健科学部看護学科
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