クエン酸を錯化助剤とした多孔質ガラスによる二価金属の吸着および分離

元データ 2011-03-20

概要

多孔質ガラスによる銅,ニッケル,コバルトおよび亜鉛などの二価金属の吸着実験を298 Kのクエン酸水溶液において回分法で行った.これらの金属の吸着量は交換母液が20 mMのクエン酸を含む場合にpH 2.0–2.5においてともに極大値を示した.極大点よりも高いpH域においてはクエン酸錯イオンが生成するため金属の吸着量が減少し,金属がイオン交換反応によって吸着されることがわかった.クエン酸を溶離液とした多孔質ガラス充填カラムを用いて上記の金属の分離実験を298 Kで行った.クエン酸濃度が20 mMの溶離液を使用すると,金属の保持時間は吸着量と同じpH域で極大となり,保持時間が吸着量に著しく影響されることがわかった.また5 mMクエン酸溶離液をpH 3.0で使用すると銅とニッケルが分離された.それに対して亜鉛とコバルトはクエン酸錯イオンの生成曲線が近接しているため,pH 5.0以下ではいかなるクエン酸濃度においても分離されなかった.1 mM以下のクエン酸濃度においてはpH 5.0以上において銅,ニッケルおよびコバルトの保持時間がpHの上昇とともに単調に減少した.それに対して亜鉛の場合は水酸化物を生成して沈殿するため,保持時間がpH 6.5から増加した.このためpH 7.0の0.25 mMクエン酸溶離液により4金属の分離が可能になった.

著者

藤吉 一誠 鹿児島大学工学部応用科学工学科
藤吉 一誠 鹿児島大学工学部

関連論文

▼もっと見る