エチレンジアミンを錯化助剤とした多孔質ガラスによる二価遷移金属の吸着および分離
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概要
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エチレンジアミン水溶液からコバルト,ニッケル,銅および亜鉛などの二価遷移金属の多孔質ガラス上における吸着実験を298 Kで行った.吸着量の測定値とエチレンジアミン–金属錯イオンの生成曲線との比較によるとニッケル,銅および亜鉛の場合に金属の吸着はエチレンジアミン錯イオンの生成によって促進されたので吸着機構は配位反応であることがわかった.また吸着量に対するイオン交換の寄与は配位反応と較べて無視小であった.コバルトの場合は交換母液中で進む酸化反応によって3価のコバルトイオンが生成し,それがイオン交換によって吸着されると思われた.エチレンジアミンを溶離液とした多孔質ガラス充填カラムを用いて上記の金属の分離実験を298 Kで行った.これらの金属の保持時間はいずれも吸着量とともに増加した.pH 6.0の溶離液を使用するすると0.2 mol/dm3以下のエチレンジアミン濃度においてコバルト,ニッケルおよび銅がこの順序で溶離し,ほぼ完全に分離された.このとき亜鉛はほかの3種の金属よりもはるかに多く吸着されるため,イソクラティックには溶離されなかった.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2009-07-20
著者
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