肺硬化性血管腫の臨床・病理学的検討 : 術前・術中診断の困難さについて
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概要
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肺硬化性血管腫9例の臨床・病理像を検討した.症例は男性1例,女性8例で手術時の平均年齢は61.8歳であった.胸部CT所見では8例が単発の結節影を呈し,1例は腫瘤影および無気肺像を呈していた.術前CTでの腫瘍径は8〜45mmで平均は17mmであった.6例に対して経気管支生検での組織診断を試みた.組織診断がついたのは1例のみで,原発性肺癌(腺癌)の診断であった.全9例の術前画像診断は肺良性腫瘍6例,原発性肺癌2例,転移性肺腫瘍1例であった.術前未診断であった8例に対して術中迅速組織診断を行った.肺硬化性血管腫と診断されたのは4例で,正診率は50%であった.迅速診断では,乳頭状増生のみを認めた場合には腺癌と診断される傾向にあった.術後全例で再発を認めなかった.肺硬化性血管腫の術前・術中診断は困難であり,永久病理診断で免疫染色も加えた詳細な検討が必要となる.
- 2010-03-15
著者
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大畑 惠資
倉敷中央病院 呼吸器外科
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奥村 典仁
倉敷中央病院 呼吸器外科
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高橋 守
倉敷中央病院 呼吸器外科
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山科 明彦
倉敷中央病院 呼吸器外科
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松岡 智章
倉敷中央病院 呼吸器外科
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亀山 耕太郎
倉敷中央病院 呼吸器外科
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中野 淳
倉敷中央病院 呼吸器外科
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山科 明彦
京都大学医学部呼吸器外科
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山科 明彦
静岡市立静岡病院呼吸器外科
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大畑 恵資
倉敷中央病院呼吸器外科
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中野 淳
倉敷中央病院 呼吸器外科
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中野 淳
財団法人倉敷中央病院
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奥村 典仁
瀬戸内肺癌研究会
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