肝MALTomaの術後7年経過した後に切除を行い診断し得た肺MALTomaの1例
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概要
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症例は56歳,女性.7年前に肝MALTomaに対して肝部分切除術が施行された.その後,当院血液内科でRituximab療法を施行されフォローアップされていた.2007年2月,胸部CTで約2年前より指摘されていた左肺上葉の多発小結節影の一部に増大傾向が認められた.またFDG-PETで同部位と咽頭,頸部リンパ節に異常集積像が認められた.以上よりMALTomaの再発が疑われた.咽頭,頸部リンパ節の生検は困難であるとの理由から,診断・治療目的で2ヵ月後に胸腔鏡補助下左肺上区切除術が施行された.得られた組織の免疫組織学的所見より,肺MALTomaとの診断を得た.MALTomaは稀な疾患であり,その報告例も少ない.比較的予後良好とされているが当症例のように術後数年間経過した後に再発する症例もあり厳重な経過観察が必要であると考えられた.
- 特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会の論文
- 2008-11-15
著者
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井貝 仁
財団法人倉敷中央病院呼吸器外科
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大畑 惠資
倉敷中央病院 呼吸器外科
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奥村 典仁
倉敷中央病院 呼吸器外科
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松岡 智章
倉敷中央病院 呼吸器外科
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亀山 耕太郎
倉敷中央病院 呼吸器外科
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井貝 仁
倉敷中央病院呼吸器外科
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中川 達雄
倉敷中央病院呼吸器外科
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大畑 恵資
倉敷中央病院呼吸器外科
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奥村 典仁
瀬戸内肺癌研究会
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