胸腔鏡下に摘出し得た縦隔内胸管嚢胞の1例
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概要
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症例は50歳の女性.検診の胸部X線で異常陰影を指摘され,胸部CTで中縦隔に50 mm大の嚢胞性腫瘤を認めた.これに対して胸腔鏡補助下に縦隔嚢胞切除を施行した.椎体腹側に表面平滑な嚢胞性腫瘤を認め,内容液は白色混濁しており乳びが疑われた.この所見より胸管嚢胞の可能性を考え,流入・流出するリンパ管様の索状物をクリッピングした.術後,嚢胞内容液のTGが高値であること,嚢胞壁が免疫病理組織学的にリンパ管内皮細胞であることが確認され,胸管嚢胞と診断した.胸管嚢胞の治療法は手術であるが,術後合併症として乳び胸が多く報告されている.本症例では胸管を確実に処理したことで,乳び胸の発症を予防できたと考えられた.
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会の論文
著者
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奥村 典仁
財団法人倉敷中央病院
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藤原 敦史
財団法人倉敷中央病院
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中野 淳
財団法人倉敷中央病院
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野口 未紗
財団法人倉敷中央病院
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亀山 耕太郎
財団法人倉敷中央病院
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亀山 耕太郎
財団法人倉敷中央病院・呼吸器外科
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木村 賢司
財団法人倉敷中央病院・呼吸器外科
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中野 淳
財団法人倉敷中央病院・呼吸器外科
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野口 未紗
財団法人倉敷中央病院・呼吸器外科
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