血液凝固異常症の臨床と検査 : 血栓性素因の診断
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概要
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Point(1)40歳代以前に静脈血栓症を発症したり,再発性であったり,まれな場所(脳静脈洞血栓,門脈血栓,腸間膜静脈血栓など)に発症したり,家族歴に若年性の血栓症の発現がみられる,習慣性胎児死亡などの場合,血栓性素因があることを予測して検査を行う.(2)スクリーニング検査としては,先天性血栓性素因の検索としてアンチトロンビン,プロテインC,プロテインS活性(あるいは遊離型PS抗原量)を測定し,後天性の検索としてループスアンチコアグラント,抗カルジオリピン抗体,抗カルジオリピンーβ2グリコプロテインI抗体を測定する.(3)凝固阻止因子活性が正常の50%以下に低下したら先天性欠損症を疑うが,後天性に低下する要因をできる限り除外する必要がある.(4)治療薬としてワーファリンを投与する前には,血栓性素因検索用の血液検体を保存しておく.(5)ワーファリン単独投与をすると皮膚壊死(warfarin-induced skin necrosis)をおこす可能性があるので,ヘパリン併用下にワーファリンを少量から治療域にまで増量していき,治療域で安定した後にヘパリンを中止する.
- 2008-08-01
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