組織因子およびLPS誘発ラットDICモデルの経時的病態比較
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概要
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動物 Disseminated intravascular coagulation (DIC) モデルの誘発物質としては, 組織因子 (TF) または Lipopolysaccharide (LPS) が頻用されてきたが, 両者は明確に区別されずに使用されてきたのが現状である. しかし, われわれは以前に, 用いる誘発物質によりDICモデルの病像が異なる可能性を指摘した. 今回は, 各種凝固線溶関連分子マーカー, 病理所見を経時的に追跡することにより, さらに詳細に病態を比較検討した. Wistar系雄性ラットを用い, TFモデルはTF3. 75単位/kgを4時間かけ, LPSモデルはLPS30mg/kgを4時間かけ尾静脈より点滴静注し, 採血は, 1, 3, 4, 9時間後に行った. 両モデルは, 血中TATの上昇がほぼ同じであり (3〜4hr後がピーク), 凝固活性化は同程度と思われた. TFモデルにおいては, 血中D-dimerが著増した後 (4hr後がピーク), 速やかに低下したのに対し, LPSモデルにおいては, 血中D-dimerの上昇は軽度 (PAIは著増) で遷延した. LPSモデルでは臓器障害および腎糸球体フィブリン沈着が高度で9時間後まで遷延したのに対し, TFモデルでは同所見はみられなかった. 以上, DIC誘発物質としてTFまたはLPSのいずれを用いるかによりモデルの病態は大きく異なり, 動物DICモデルを用いた研究を行う上での重要な注意点であると思われた.
- 日本血栓止血学会の論文
- 2002-02-01
著者
-
宮本 謙一
金沢大学医学部附属病院臨床試験管理センター
-
中尾 眞二
金沢大学 医学系研究科病態検査学
-
中尾 眞二
金沢大学医学部細胞移植学
-
菅 幸生
金沢大学医学部附属病院薬剤部
-
朝倉 英策
金沢大学医学部附属病院高密度無菌治療部
-
菅 幸生
金沢大学医学部附属病院外来化学療法室
-
吉田 知孝
金沢大学医学部附属病院検査部
-
山崎 雅英
金沢大学医学部血液内科
-
森下 英理子
金沢大学医学部第三内科
-
中尾 眞二
金沢大学第三内科
-
朝倉 英策
金沢大学医学部附属病院 薬剤
-
水谷 朋恵
金沢大学医学部第三内科
-
伊藤 貴子
金沢大学医学部第三内科
-
山崎 雅英
金沢大学 大学院医学系研究科皮膚科学教室
-
森下 英理子
金沢大学医学部検査部
-
加藤 みのり
金沢大学医学部第三内科
-
伊藤 貴子
金沢大学 大学院 医学系研究科 細胞移植学
-
吉田 知孝
金沢大学医学部附属病院 検査部
-
御舘 靖雄
金沢大学医学部附属病院血液内科
-
青島 敬二
金沢大学医学部第三内科
-
森下 英里子
金沢大学大学院医学系研究科病態検査学
-
山崎 雅英
金沢大学医学部第三内科
-
水谷 朋恵
金沢大学医学部附属病院血液内科
-
青島 敬二
金沢大学医学部医学科内科学第三講座
-
中尾 眞二
金沢大学医学部附属病院第三内科
-
中尾 眞二
金沢大学医学部第三内科
-
中尾 眞二
金沢大学医学系研究科
-
御舘 靖男
金沢大学医学部第三内科
-
朝倉 英策
金沢大学附属病院高密度無菌治療部
-
朝倉 英策
金沢大学医学部第三内科
-
森下 英理子
金沢大学医学部保健学科
-
伊藤 貴子
金沢大学医学部第3内科
-
吉田 知孝
金沢大学医学部附属病院 中央検査部
-
菅 幸生
金沢大学医学保健研究域薬学系
-
森下 英理子
金沢大学医学系研究科保健学専攻病態検査学
-
朝倉 英策
金沢大学医学部第3内科
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