日本における哺育牛の下痢対策実施状況に関する経営タイプ別分析

概要

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哺育牛の下痢症は牛飼養農家の経営に大きな影響を与える疾病である。一方，牛の管理形態は経営タイプによって大きく異なり，下痢症に対する意識や対策の実施状況も異なっている。これら経営タイプ別の特徴を把握するため，哺育牛の下痢対策の実施状況などについて比較分析をおこなった。分析には，平成15年度に全国の都道府県が牛飼養農家に対して実施した下痢症に関する調査結果のうち，哺育牛が飼養されていた536戸のデータを用いた。肉用牛飼養農家は繁殖，肥育育成，一貫の３つに，また，乳用牛飼養農家については小規模と大規模の２つの経営タイプに分類して比較分析を行った。その結果，相対的に酪農経営に比較して肉用牛経営で下痢に対する問題意識が高く，その対策も比較的多く講じられていることが明らかになった。一方で，下痢の発生状況に関する回答やコクシジウムやロタウイルスによる下痢の発生率では，酪農経営に比較して肉用牛経営の方が哺育牛の下痢の発生が多い傾向にあり，哺育牛の下痢は肉用牛経営でより問題となっていることが推察された。今後は，個々の経営タイプに応じたより効率的かつ効果的な対策を検討していく必要があると考えられた。
2006-12-12

日本における哺育牛の下痢対策実施状況に関する経営タイプ別分析

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