好中球自己抗体MPO-ANCAの病原性と血管炎の病態
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概要
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好中球ライソゾーム殺菌酵素Myeloperpxidase (MPO)は,自己抗体MPO-ANCAの抗原となり,血管炎の発症に関与している.その抗原性は,MPO欠損マウスにより明らかにした.また,MPO-ANCAのエピトープの解析から,MPOのH鎖のNおよびC末端に反応するエピトープが,血管炎の重症化と関連していることが判明した.MPOは,本来,好中球に存在する強力な殺菌物質OCL−を産生する酵素で,欠損マウスの解析からCandida alibcansなど抗真菌作用として働き,殺細菌・殺真菌の生体防御に関与することを明らかにした.ところで,治療法開発や発症機構解明に,病態モデルが必須であり,MPO-ANCAを産生する急性進行性腎炎である自然発症病態モデルSCG/Kjマウスを用い,好中球の活性化が血管炎発症に関わっていることを明らかにした.また,C. albicansの膜成分(CADS)やwater soluble glycoprotein (CAWS)によって誘導するMPO-ANCA関連の冠状動脈炎マウスを用いて,その病態を解析した.
- 日本臨床免疫学会の論文
- 2006-04-30
著者
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鈴木 和男
国立感染症研究所生体防御物質室
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鈴木 和男
千葉大院医 免疫発生学・炎症制御学
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鈴木 和男
国立感染研・生物活性物質部
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鈴木 和男
千葉大学大学院医学研究院 免疫発生・炎症制御
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鈴木 和男
国立感染症研究所生物活性物質部
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鈴木 和男
国立感染症研究所
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鈴木 和男
国立感染研究所生物活性物質部
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鈴木 和男
千葉大免疫発生
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