離散的な特性と連続的な特性をもつ入力空間に対するSTDPトポロジカルマップ
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概要
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大脳皮質の側頭葉に位置するIT野では, 視野上の位置や大きさに依らない形の表現が獲得されている.つまり, IT野ニューロンは視野全体からの情報を受けとっていることがわかる.動物がよく目にする形は, 視野全体で可能な全ての形の集合に比べ, はるかに限定された集合となっている.したがって, IT野ニューロンが受けとっている入力集合は, 形集合全体の中でクラスター状に分布していると考えられる.すなわち離散的な軸と連続的な軸の組み合わせで表現されるような入力空間となっていると考えられる.ここでは, このような離散性と連続性を併せ持つ最も簡単な構造として, 2つの平行なリング上に分布した入力集合を想定し, スパイク時刻依存シナプス可塑性(STDP)にもとづいた結合更新則を用いたスパイクベースのトポロジカルマップモデルに2リング上の入力集合を与えた結果, 高スパイク頻度を示すニューロンの重心位置で入力のリング上の位置を表現し, 詳細な集団スパイク頻度パターンでリングの違いを表現するような多重表現が獲得され, その反応の性質がIT野で見つかっているニューロンの性質と整合することを示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-06-16
著者
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