カルシウム濃度の線形和を閾値としたBCM型シナプス可塑性モデル
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概要
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これまで,シナプス強度変化はカルシウム濃度の絶対量にもとづいて決定されるものとしてモデル化されてきたが,しかしそのようなモデル化では,スパイクタイミング依存性可塑性(STDP)のもつ特性を再現できないことが指摘されてきている.本研究では,シナプス前ニューロンと後ニューロンの各々の単独発火によるスパインヘのカルシウム流入量の和を基準とし,それとペアリング発火によるカルシウム流入量の差にもとづいたシナプス可塑性モデルを提案し,NEURONシミュレータを用いたシミュレーション実験を行うことでこれを検討した.その結果,このモデルを用いてSTDPの時間特性およびシナプス強度の可塑的変化の初期値依存性が再現できることを示した.また,AMPAコンダクタンスがほぼゼロのときでもNMDAコンダクタンスはある程度の大きさをもつということが,シナプス強度の可塑的変化の初期値依存性にとって重要である可能性があることを示した.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-03-08
著者
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