骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 における AgNORs の変化
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概要
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鍍銀染色法の一つであるAgNORs法は細胞増殖能を知ることができることから腫瘍病理学の分野では, 病理学的診断と新生物の予後をはかるマーカーとして注目を集めている.本法は免疫組織学的手法に依らないことから, 短時間で検鏡できる点でも迅速な診断を求められる臨床の場において広く応用される可能性を秘めている.現在までに, AgNORs法を用いて悪性腫瘍の診断と予後をはかる報告は数多くみられるが, ある一つの細胞を対象に細胞分化とAgNORs数との関連を調べたものはほとんどない.今回我々は骨細胞に分化する系統の骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いて細胞増殖期から細胞外基質成熟期まで核内のAgNORs数の変化を調べ, 以下の結論を得た.1. 骨芽細胞の核内AgNORs数は一定でない.2. 細胞が基質成熟期の初期のときAgNORs数が最大を示した.AgNORs法は細胞増殖能をよく反映することから新生物の病理組織診断や予後に応用されつつあるが, 本法を応用する際には細胞の成長と分化度を考慮する必要があることが示唆された.
- 九州歯科学会の論文
- 1997-10-25
著者
-
竹原 直道
九州歯科大学
-
小林 繁
九州歯科大学健康促進科学専攻生命科学講座頭頚部構造解析学分野
-
羽地 達次
九州歯科大学口腔解剖学第一講座
-
小林 繁
九州歯科大学
-
田村 晴希
九歯大・予歯
-
望月 啓
九州歯科大学口腔衛生学教室
-
羽地 達次
徳大・歯・口解2
-
田村 晴希
九州歯科大学口腔衛生学講座
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