安達太良火山の最近25万年間における山体形成史とマグマ供給系の変遷
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Repeated eruptions of calc-alkaline magmas in recent 250000 years gave rise to the main body of the Adatara volcano. Geological and stratigraphical reexamination distinguished 37 eruptives. Based on temporal and spatial association, the eruptives were grouped into 7 volcanic units: eastern side first and second units (ES1, ES2); Minowasan unit (MI); summit area unit (SU); northern and southern rims of Numanotaira units (NN, SN); Numajiri unit (NU). Chronological data revealed that the ES1 and MI were developed 0.25-0.20 Ma, the SU was formed around 0.12 Ma, and that probably NN and SN were built up less than 0.1 Ma. Bulk chemically, 3 groups were distinguishable; group 1 (ES1, ES2) ejecta are rich in TiO2 FeO* Sc, V and Co, poor in MgO, K2O, Rb, Ba and Zr compared with group 3 (NN, SN, NU), and the group 3 has higher Rb/Ba, Zr/Nb and Rb/Zr than those of group 1. The group 2 (MI) shows similar Rb/Ba, Nb/Zr and Rb/Zr to those of the group1, but displays distinctive trends for Sr, Nb, Sc and V. Among the three essential materials (pumice and scoria 1 of the earlier eruptives and scoria 2 of the later member) in the AT2 erupted at 0.12 Ma (SU), the scoria 1 compositionally corresponds to the primitive members of the group 1, and the compositions of scoria 2 come close to the low SiO2 extension of the trends for the group 3. Further, the correlations accord with their relevant chemical characteristics such as Rb/Ba, Nb/Zr and Rb/Zr, and also compatible element trends. The inferred transition of the magma plumbing system is as follows: Two magma systems (groups 1 and 2) had been active about 0.25 to 0.2 Ma. During 80000 years of dormancy, relatively primitive magma had been preserved only in the main system (group 1). Around 0.12 Ma, the third magma system (group 3) came underneath the main system. One felsic and two andesitic magma bodies co-existed at the beginning of the eruption at 0.12Ma, but the andesitic magma of the group 1 exhausted halfway of the eruption, and was completely replaced by the third system. The renewed system has been preserved and active after the eruption of 0.12 Ma to build up SN and NN.
- 日本鉱物科学会の論文
- 2005-03-30
著者
-
藤縄 明彦
茨城大学・理
-
藤縄 明彦
茨城大学理学部理学科
-
藤縄 明彦
茨大理
-
鎌田 光春
茨城大学理学部地球生命環境科学科
-
藤縄 明彦
茨城大学理学部地球科学教室
-
藤縄 明彦
茨城大学理学部地球環境科学領域
関連論文
- A08 東北日本弧,1888-1900年に起こった,水蒸気爆発による低温火砕サージの特徴(火山の地質・形成史(1),日本火山学会2006年秋季大会)
- メラピ型火砕流の発生過程 : 雲仙普賢岳第6ドームでの観測結果
- F22 雲仙普賢岳溶岩円頂丘の内生的成長に伴う火砕流の発生過程
- 341. 雲仙普賢岳における火砕流の発生過程
- 1993年IAVCEIキャンベラ会議
- A04 雲仙普賢岳における火砕流発生の観測 1992 年 1 月-7 月の第 6・7 ドーム
- B09 安達太良火山の形成史 : K-Ar 年代値からの再検討
- 加藤祐三著, 「軽石-海底火山からのメッセージ-」について, 264頁, 定価税込2520円, 2009年4月25日, 八坂書房発行, ISBN978-4-89694-930-8
- A37 赤城火山に出現するアダカイト類似火山岩の性質とテクトニクス上の意義
- A36 赤城火山噴出物全岩化学組成の時間変化
- 東北日本弧、安達太良火山に共存するソレアイト、カルクアルカリマグマ系列の進化メカニズム
- A25 東北日本弧脊梁帯に産する島弧型ソレアイトマグマの多様性
- B14 東北日本、岩手火山におけるソレアイトマグマ系列の微量元素特性
- B10 東北日本, 岩手火山に産するソレアイト玄武岩・安山岩における主化学組成の多様性
- P11 安達太良火山南東部の地質と岩石(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- P09 岩手県高倉火山における噴出物のSiO_2量と岩石学的特徴からみた組成変化(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- 安達太良火山,1900年爆発的噴火の再検討
- P73 磐梯火山と安達太良火山のハザードマップに関する一考察(ポスターセッション,日本火山学会2006年秋季大会)
- 秋田駒ヶ岳火山,最近13,000年間の噴火変遷 (総特集 活火山における噴火様式の時代的変遷と長期噴火予測(上))
- A09 東北日本弧, 活火山のホームページ作成(火山教育・火山防災 (2), 日本火山学会2005年秋季大会)
- 安達太良火山の最近25万年間における山体形成史とマグマ供給系の変遷
- 秋田駒ヶ岳火山,後カルデラ活動期における噴火史 : 火山体構成噴出物と降下テフラ層の対比
- A47 チョコレートとココアを使ったカルデラ形成のアナログ実験
- A17 安達太良火山1900年爆発性噴火で発生した疾風堆積物の粒度組成
- A40 秋田駒ヶ岳火山, 後カルデラ活動期における噴火史
- 栗駒火山の形成史
- 安達太良火山のK-Ar年代: 安達太良火山形成史の再検討
- A59 東北地方南部のフロント火山 : 安達太良火山の例
- A19 栗駒火山の岩石学的研究(その 1) : 全岩化学組成から見た特徴
- B15 栗駒火山の形成史
- 硫酸分解法を用いたICPによるカコウ岩類・泥質片麻岩類中のREEの分析--酸性岩類中のREEの所在
- 20P. 東北日本の島弧ソレアイトのSr, Nd同位体とREE組成(日本火山学会1986年度秋季大会)
- P20 東北日本の島弧ソレアイトの Sr. Nd 同位体と REE 組成
- ひとつの火山に共存するカルク・アルカリおよびソレアイト質岩系マグマ : ストロンチウム同位体比による検討
- Sr同位体からみたカルク・アルカリ岩系の成因 : 火山および火山岩
- 東北日本・安達太良火山の地球化学的研究
- A35 安達太良火山新期噴出物の全岩組成変化からみられるマグマ供給系の変化(予察)
- A34 安達太良火山頂部に分布する降下火砕物の全岩組成変化
- 263 大崩山花崗岩体重力方向組成変化の成因
- 合成実験による角閃石, 単斜輝石, ザクロ石と珪酸塩メルト間のHf・Zrの分配
- P53 角閃石、単斜輝石、ザクロ石及びマグマ相互間での Hf/Zr 分別について
- 東北日本,安達太良火山におけるソレアイト,カルクアルカリマグマ系列 : その進化メカニズムと成因関係(火山のモデル(II))
- I12-05 東北日本、安達太良火山におけるソレアイト、カルク・アルカリマグマ系列 : その進化メカニズムと成因関係
- 27B. 東北日本弧,森吉火山帯の希土類元素組成(日本火山学会1989年秋季大会)
- 18B. 那須火山茶臼岳火砕丘の形成史(日本火山学会1989年秋季大会)
- B27 東北日本弧、森吉火山帯の希土類元素組成
- 270 東北日本弧第四紀火山岩類のSr同位体比
- 那須火山帯,島弧型ソレアイト質マグマの早期結晶分化作用--船形火山ピジョン輝石玄武岩類の岩石学的研究
- 56A. 東北日本蔵王火山のソレアイト系列とカルクアルカリ系列の岩石学的関係(日本火山学会1989年春季大会)
- 56A 東北日本蔵王火山のソレアイト系列とカルクアルカリ系列の岩石学的関係
- 24A. 東北日本第四紀火山フロントに共存する,低アルカリソレアイト,カルクアルカリ両系列岩の希土類元素組成について(日本火山学会1988年春季大会)
- A24 東北日本第四紀火山フロントに共存する、低アルカリソレアイト、カルク・アルカリ両系列岩の希土類元素組成について
- P52 安達太良火山南東部前ヶ岳の形成史(ポスターセッション)
- P51 岩手県高倉火山の地質とマグマ供給系(ポスターセッション)
- B18 那須火山茶臼岳火砕丘の形成史
- ICPによる日本標準岩石試料中のREEおよび微量金属元素の分析
- 60B. 栗駒火山における, カルクアルカリマグマの組成変化過程(日本火山学会 1985 年度秋季大会講演要旨)
- 59B. 安達太良火山における, ソレアイト, カルクアルカリ両マグマの主成分, 微量成分の組成変化メカニズム(日本火山学会 1985 年度春季大会講演要旨)
- 63. 那須火山, 茶臼岳周辺部の形成史(日本火山学会 1984 年度春季大会講演要旨)
- 東北日本火山フロントに産するいわゆるsubordinate tholeiiteの岩石成因論的重要性 : 安達太良火山を例に : 日本火山学会1983年度秋季大会
- 安達太良火山におけるソレアイト・カルクアルカリ両系列の成因関係(日本火山学会 1982 年春季大会講演要旨)
- 第四紀東北日本火山弧にみられる斑晶不透明鉱物量の広域的変化について(日本火山学会 1982 年春季大会講演要旨)
- 鎌田浩毅著, 「火山と地震の国に暮らす」, 2011年7月7日発行, 四六判, 並製・カバー, 198頁, 定価1900円+税, ISBN978-4-00-005210-8 C0044, 岩波書店
- 安達太良火山12万年前の噴火復元
- 岩手県高倉火山群, 丸森火山の地質と岩石
- 秋田駒ヶ岳火山、主成層火山体東部地域の地質と岩石
- 宮城県鳴子火山における火砕流堆積物の岩石学的検討
- P37 宮城県鳴子火山起源の火砕流堆積物の岩石学的検討(ポスターセッション)
- P34 岩手県高倉火山列,丸森火山の地質とマグマ供給系(ポスターセッション)
- Bandai, Azuma, Adatara volcanoes: The three "rank-B" active volcanoes in Fukushima Prefecture
- 東北日本,仙岩地熱地域南部,高倉火山の山体形成史とマグマ供給系