有機化合物の分子レベル安定炭素・水素同位体比測定法の大気化学への応用
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概要
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大気エアロゾル中の陸上高等植物バイオマーカーは, 有機物トレーサーとして, 低-中緯度域における陸起源有機物の長距離輸送の実態解明に大きく貢献してきた. しかし, 北西太平洋域など中-高緯度域に長距離輸送される陸起源有機物の起源・輸送過程の詳細を明らかにするためには, 従来の起源域指標に代わる新たな指標が必要不可欠である. 近年, 筆者らによる有機エアロゾルの同位体地球化学的研究により, 各有機分子の安定水素同位体比にその起源・輸送に関する情報が記録されていることがわかってきた. 本稿では, 最近の分子レベル安定同位体比の測定例について解説し, 都市エアロゾルへの応用例を紹介する.The Asian continent is the major source region of terrigenous organic matter transported to the northwestern Pacific. However, biomarker proxies, such as molecular composition and compound-specific carbon isotopic ratios of leaf wax n-alkanes, do not have enough resolution for the recognition of their source vegetation in mid-high latitudes. Hence, development of a novel biomarker proxy is required to reveal their detailed source area and transport pathways. Our recent studies show that the compound-specific hydrogen isotopic compositions (δD) of atmospheric n-alkanes could provide the key to better understanding the long-range transport in the East Asia-northwestern Pacific regions.大気圏と生物圏の相互利用. 北海道大学低温科学研究所編
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