皮膚有棘細胞癌細胞株(SCC-1CB)の樹立とその性状
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概要
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組織培養法を用いて皮膚有棘細胞癌の細胞株(SCC-1CB)を樹立した.62歳,男性,腹部に生じた皮膚有棘細胞癌の外科的切除により得た腫瘤の一部をヌードマウスに移植し,さらにヌードマウスに継代し,継代4代目に形成された腫瘤組織を材料とし,10%牛胎児血清を加えたEagles MEM培地を用い細胞株を樹立した.光顕で扁平な上皮様細胞で,電顕ではデスモソームとトノフィラメントを認めた.PAP法にて抗ケラチンポリクローナル抗体,抗ケラチンモノクローナル抗体,抗ビメンチンモノクローナル抗体陽性所見を得た.染色体分析ではヒト型,染色体数は46から79で,モードは56であった.ヌードマウスへの培養細胞の移植では腫瘤が形成され,光顕および電顕的検索にても有棘細胞癌の所見を得た.凍結保存は可能であり,樹立後二年半経過した現在もなお旺盛な増殖を続けている.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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児島 孝行
千葉大学医学部皮膚科学教室
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藤田 優
千葉大学医学部皮膚科学教室
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小林 まさ子
千葉大学医学部皮膚科学教室
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渡辺 富美子
千葉大学医学部皮膚科学教室
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守田 英治
千葉大学医学部皮膚科学教室
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