眼瞼黄色腫の臨床的研究
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概要
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昭和44年から49年までの6年間に千葉大皮膚科を受診した眼瞼黄色腫63例,それ以外の黄色腫15例につき,cholesterol, triglyceride, preparative ultracentrifuge法によるlipoprotein analysisおよび一般検査(耳血,肝機能,検尿など)を施行して次の結果をえた。1)眼瞼黄色腫は中年女子上眼瞼内側に好発する(男:女比=1:4.7,30〜40才台73%,両側上眼瞼内側60%)。2)腫瘤は発生より受診までの期間が長いほど大きなものが多く,漸次拡大していると考えられた。3)脂質検査した53例中23例43%に高脂血症を認め,うちType II型15例(65%),Type III型4例,続発性(糖尿病,肝疾患,ステロイド内服)を疑われるもの4例であり,正脂血症例中にγ-globulinの亢進(3例),紅皮症の合併(1例),肝炎後(1例)があった。4)眼瞼黄色腫の大きさとcholesterol,腫瘤の大きさの予後とcholesterolの関係につき検討したが,いずれも有意な結果をえられなかった。5)それ以外の黄色腫15例中11例73%に眼瞼黄色腫の合併があり,Type II型では9例中6例67%にみられ,Type III型,plane xanthomatosis,続発性のものにもみられた。以上より眼瞼黄色腫は種々の原因で起る黄色腫の1つのsignであり,高脂血症例ではType II型が多いことを述べた。
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