Linear IgA dermatosis患者血清による器官培養正常皮膚における水疱形成機序の検討
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概要
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Linear IgA dermatosis 3例,Dermatitis herpetiformis(DH)2例について,それぞれの患者血清を新鮮正常ヒト皮膚と37℃,48時間培養したところ,Linear IgA dermatosis 3例の患者血清添加組織ではdermo-epidermal separation(DES)が認められた.また,dermo-epidermal junction zoneに線状のIgA沈着が証明された.しかしDH,正常人ではIgA沈着は認められず,それらの血清ではDESを発生せしめることはできなかった.またLinear IgA dermatosisの患者血清に56℃,30分間加熱処理を行って同様の操作を試みても同じ結果が得られた.しかし,蛋白分解酵素阻害剤のaprotinin,α2-macroglobulinを添加して同様の実験を行うと,それぞれ50%,10mg/dlの濃度でDESの発生は阻止された.したがってLinear IgA dermatosisにおける水疱形成にはIgA抗体の基底膜部への沈着と蛋白分解酵素が関与し,補体は直接関与していないことが示唆された.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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