ミルメシア疣贅の臨床的,病理組織学的,免疫組織化学的研究
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概要
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1985年2月~4月の3ヵ月間に,ミルメシア疣贅の8例を経験し,過去に経験した2例を含め計10例について臨床的,病理組織学的ならびに免疫組織化学的検討を行ない,えられた結果を以下に要約する.1.臨床所見:定型例では性差はなく,幼小児,成人ともに発症し,罹患部位は足底あるいは手指掌で,多くは片側性であった.半数が多発例であったが,皮疹は融合することなく,孤立性に存することを特徴とする.頂点が粗ル|で角質輪で覆れたドーム状の半透明ないし水疱様外観を呈する丘疹ないし小結節を定型疹とする.多くは発赤し,二次感染を伴なったかのような印象を与える.非定型例では外傷性刺青様あるいは皮角様外観を呈し,そのうち1例の罹患部位は膝蓋部であった.2.病理組織学的所見:全例,細胞質内および核内好酸性封入体の出現を特徴とし,病的細胞は有棘層下層に始まり,上層に向かうに従って数を増す.角層内には不全角化細胞と空胞化細胞とが多数認められた.3.抗乳頭腫ウイルス抗体による免疫組織化学的所見:細胞質内および核内好酸性封入体を有する病的細胞の核に一致して乳頭腫ウイルス抗原が証明された.乳頭腫ウイルス抗原を有する細胞は通常の疣贅と異なり,顆粒層のみならず,有棘層下層から上層にかけても多数認められた.細胞質内および核内好酸性封入体は同ウイルス抗原陰性であった.4.治療ならびに経過:病変部にスピール膏を貼布し,白色浸軟した病変部を機械的に除去するのが良いように思われた.初診時,単発例であった4例中2例は経過中に新らしい皮疹を認めた.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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