PUVAの乾癬患者末梢血単核球の細胞接着分子,表面分子発現への効果
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概要
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乾癬患者,健常人の末梢血単核球の接着分子および表面分子の発現量に対する内服PUVA療法の影響について検討した.PUVA前とPUVA24時間後にヘパリン加採血し,得られた単核球をCD4,CD8,HLA-DR,CD25,CD11a,VLA-4,CD3に対するモノクロナール抗体で染色,FACScanを用いて解析した.CD4,CD8,HLA-DR,VLA-4の発現は,PUVAの前後でほとんど変化を認めなかった.CD11a(LFA-1)は,発現の分布に変化を認めたが,発現量に変化を認めなかった.CD25いわゆるIL-2レセプターα鎖では,個体差はあるが発現の低下傾向を認めた.しかしCD3との二重染色を行いT細胞のみで解析したところ発現量に変化を認めなかった.またIL-2に対する反応性も変化を認めなかった.これらの結果は,乾癬患者,健常人とも同様であった.この結果から,内服PUVA療法の乾癬に対する作用機序は末梢血中の単核球への直接的効果ではないと考えられる.内服PUVA療法の作用機序はむしろ,すでにわれわれがin vitroの系で報告した皮膚に浸潤しかつ活性化した局所のリンパ球の接着分子の発現低下および細胞死によるものと思われる.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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