抗利尿ホルモン分泌異常症候群で発症し,橋中心・橋外髄鞘崩壊症を合併した視神経脊髄炎関連疾患の1例
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概要
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症例は36歳の女性である.抗利尿ホルモン分泌異常症候群(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone; SIADH)発症後,脳脊髄病変が出現し,抗aquqporin 4(AQP4)抗体陽性より視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)と診断した.SIADHに対する治療開始後,想定以上に早く血清Naが補正され,橋中心・橋外髄鞘崩壊症を示唆する脳病変が出現した.NMO (neuromyelitis optica)/NMOSDの治療開始が遅れると,視床下部に重篤な神経障害がおこり抗利尿ホルモンの分泌が不安定となる可能性があると考えた.SIADHを初発とするNMO/NMOSD では,血清Naの補正に慎重を期する必要がある.
著者
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梶 龍兒
徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部 神経情報医学分野
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高橋 利幸
東北大学大学院医学系研究科神経内科
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松井 尚子
徳島大学大学院神経情報医学分野神経内科学
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藤田 浩司
徳島大学大学院臨床神経科学分野
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和泉 唯信
徳島大学大学院臨床神経科学分野
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神林 崇
秋田大学医学部神経運動器学講座精神科分野
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酒井 和香
徳島大学大学院臨床神経科学分野
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西田 善彦
伊月病院神経内科
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