初発症状として低体温,記銘力障害を呈し,MRIで間脳のみに病変をみとめた抗アクアポリン抗体関連疾患の69歳女性例
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概要
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症例は69歳女性である.約1ヵ月の経過で日中の眠気,もの忘れが徐々に進行した.入院時は徐脈(55回/分),低体温(32.5°C)が存在し,記銘力障害,軽度の構音障害,動作緩慢をみとめた.脳MRI FLAIR画像では側脳室,第三脳室に接する領域で高信号域がみとめられ,血清抗アクアポリン4(Aquaporin 4; AQP4)抗体が陽性であった.視神経炎,脊髄炎の既往・所見はなく,抗AQP4抗体関連疾患と診断した.視神経脊髄炎(neuromyelitis optica; NMO)で初発として間脳病変や間脳症状を呈した症例の報告はまれである.第三脳室に接する病変あるいは間脳症状がみとめられたばあいは抗AQP4抗体関連疾患を鑑別する必要がある.
著者
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高橋 利幸
東北大学大学院医学系研究科神経内科
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小山 主夫
藤沢市民病院神経内科
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出井 ふみ
藤沢市民病院神経内科
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田中 章景
横浜市立大学大学院医学研究科神経内科学・脳卒中医学
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川本 裕子
藤沢市民病院神経内科
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仲野 達
藤沢市民病院神経内科
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