5, 5'-カルボニルビス [1, 3-ジメチル-3, 4, 5, 6-テトラヒドロ-1, 3, 5-トリアジン-2 (1H) -オン] とKSCNとの複合体の構造
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概要
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5, 5'-カルボニルビス [1, 3-ジメチル-3, 4, 5, 6-テトラヒドロ-1, 3, 5-トリアジン-2 (1H) -オン] (CDTTO) とKSCNとの1 : 1複合体結晶を調製し, 構造をX線結晶構造解析により解明, CDTTOとCuC1<SUB>2</SUB>との複合体結晶の構造と比較した。結晶データ, C<SUB>11</SUB>H<SUB>20</SUB>N<SUB>6</SUB>O<SUB>3</SUB>・KSCN・H<SUB>2</SUB>O, F.W.=399.54, 単斜晶系, 空間群P2<SUB>1</SUB>/c, a=11.745 (2), b=23.357 (7), c=7.010 (2) Å, β=98.85 (2) °, V=1900.3Å<SUP>3</SUP>, Z=4, Dc=1.40g/cm<SUP>3</SUP>, μ (MoKα) =4.1cm<SUP>-1</SUP>この結晶は複合体1分子当たり, 1分子の結晶水を含んでいる。<BR>C (1) -O (1), C (4) -O (2) およびC (7) -O (3) のカルボニル基の結合距離は, それぞれ1.212, 1.240および1.230Åである。C (1) -O (1) は強い二重結合性を示し, C (4) -O (2) およびC (7) -O (3) は一重結合と二重結合の中間の値となっている。これらの結合はCDTTOCuCl<SUB>2</SUB>複合体におけるC (4) -O (2) のカルボニル結合より短い。この差異は, 酸素原子に対するカチオン配位の有無 (無 : CDTTO-KSCN, 有 : CDTTO-CuCl<SUB>2</SUB>, ) にようて, 酸素原子のアニオン的構造の安定性が異なることに由来する。K<SUP>+</SUP>とNCS<SUP>-</SUP>との距離は2.884Åで, 強い相互作用を有すると考えられる。K<SUP>+</SUP>とCDTTO分子中の酸素原子あるいは窒素原子との距離から考えて, K<SUP>+</SUP>はこれらの原子に配位していないと考えられる。以上の結果は, KSCNは結晶水とともに, CDTTO分子が形づくる空隙の中で安定化しているものと推察される。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
-
戎野 棟一
東邦大学理学部
-
柴 隆一
東京電機大 工
-
滝本 道明
福井工業大学
-
高橋 みゆき
東京電機大学・工学部・応用理化学科
-
高橋 みゆき
東京電機大学工学部応用理化学科
-
高橋 みゆき
東京電機大・工
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