N″-シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応 (III) 酸性条件下での二核体縮合物とその生成経路
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
N″-シアノグアニジン (CG) とホルムアルデヒドとの酸性条件下での反応では, ヒドロキシメチル化, メチレン化, 高分子化反応が起こり樹脂状生成物が得られる。これら樹脂状生成物は有用で凝集剤として市販されている。しかし, 酸性条件下ではシアノ基の水和によってCGがジアミノメチレンウレア (DU) へ変換するため反応が複雑になることもあって, これまでメチレン結合を有する二核体縮合物や生成経路に関する報告はほとんどなかった。二核体縮合物の構造と生成経路を明らかにするために, ホルムアルデヒドとCGとの仕込みモル比を1/2として, 種々の条件下で反応を行った場合に得られる二核体縮合物やDUとホルムアルデヒドとの反応で得られる生成物を高速液体クロマトグラフ法, <SUP>1</SUP>H NMRやFD-MSを用いて分析した。<BR>シアノ基が水和する以前に, ホルムアルデヒドがCGのアミノ基に付加するとビス (N″-シアノグアニジノ) メタンが生成する。しかし, その収率は最適合成条件下でも約20%と低かった。一方, 水和反応が付加反応に先行する場合には, ホルムアルデヒドはDUのカルバモイル基側のアミノ基に付加し, 約90%の収率でN, N′-メチレンビス [N′- (ジアミノメチレン) ウレア] が生成する。他の4つの二核体縮合物もその生成量は微少か痕跡量であるとしても生成するものと考えられる。二核体縮合物の組成は反応条件, とりわけ酸の濃度によって影響を受ける。
著者
関連論文
- DNA-PK活性を欠くヒトグリオーマ細胞の生化学的解析
- アシ, マコモ, ガマ植栽人工排水流入系における温室効果ガスの発生・浄化特性と根圏構造
- 有機物・窒素同時除去型の有機性排水処理技術としてのUSB・生物膜循環法の最適運転操作条件の解析
- 家畜糞尿・生ごみ混合廃棄物のメタン発酵における最適可溶化条件の解析
- フラックス素材検索手段としての熱分析法の検討
- アミジノ尿素を捕獲部位とするキレート樹脂の合成
- X線解析によるグアニジンへの置換基導入部位決定--母核構造の相間移動反応へ及ぼす影響について
- 生分解性を有するグリコ-ル-ウロン重合物の合成
- 相間移動反応によるグアニジンのベンジル化
- 生分解作用と吸着効果からみた埋立地浸出水処理における活性炭複合担体の評価
- 活性炭複合担体による埋立地浸出水中の化学汚染物質除去
- 活性汚泥・オゾン活用処理システムにおける有機物処理汚泥減量化と生物相の挙動解析
- 水圏モデル生態系マイクロコズムにおける物質循環に及ぼす窒素の影響解析
- 生活排水対策システムの硝化液循環の有無における CH_4, N_2O の放出特性の解析
- ビオトープに配慮した生態工学技法の適用評価
- 安定同位体を用いた水圏モデル生態系における物質循環機構の解明
- メトキシ化メチロ-ルメラミンの熱硬化機構-1-メトキシ化度の影響
- メチロ-ルメラミンの熱挙動
- メチロ-ルメラミンの分子種分布
- N,N,N′-トリベンジル-N′′-シアノグアニジンの構造
- PVCの空間電荷形成と漏れ電流特性に及ぼす安定剤の影響
- 上水処理で適用される凝集剤に及ぼす藍藻類由来有機物の影響
- ポリメチルメタクリレートを主鎖とするアミジノ尿素樹脂に関する研究
- ヘキサアルキルグアニジウム塩の相間移動触媒能に関する研究
- 金属イオン捕獲能をもつアミジノ尿素樹脂に関する研究
- ビグアニドトリカチオン、ビウレットトリカチオンの基底高スピン状態の予測と新規な高分子強磁性体の分子設計
- 2-ピリドン,2-アミノピリジンの二量体および2-ピリドンと2-アミノピリジン間の会合体の電子的性質と水素結合エネルギ-
- 東京電機大学工学部・物質工学科高分子材料研究室(研究室訪問)
- 環境条件の異なる池沼におけるMicrocystis属の群体形成特性の解析
- 生分解性を有するグリコ-ル-ウロン重合物の合成
- トリアジン環を主鎖に含むポリイミド型耐熱性高分子の合成
- 架橋剤としてアルコキシメチルメラミンをもちいる電着塗装の検討
- メチロ-ルメラニンの熱硬化機構
- 微生物を用いる環境浄化
- 微生物を用いる環境浄化
- メチル化したメラミンおよびそれらのメチロール化物の基本的性質と熱硬化性〈λmax (UV), 溶解度, 熱的性質〉
- 8 シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応:(その5) 強酸性条件下での反応
- メチロールメラミンの難溶性と水素結合との関連性
- 2-12 メチロールメラミンの分子種分布と結晶性の関連について
- 16 [A] メチロールメラミン初期縮合物の検討 (その1)
- 15. ジシアンジアミドの熱分解過程の検討
- N″-シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応 (III) 酸性条件下での二核体縮合物とその生成経路
- 26 シアノグアニジンのベンジル誘導体および関連化合物の構造
- ポリビニルアルコール側鎖にスチリルピリジニウム基をもつ感光性ポリマーの網目形成過程
- 5, 5'-カルボニルビス [1, 3-ジメチル-3, 4, 5, 6-テトラヒドロ-1, 3, 5-トリアジン-2 (1H) -オン] とKSCNとの複合体の構造
- N,N,N′-トリベンジル-N′′-シアノグアニジンの構造
- メラミンおよびメチロールメラミンカチオンの電子的性質ならびに紫外吸収スペクトルのメチロール基数との関係についての分子軌道法による考察 (1) メラミンカチオン:メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第5報)
- メチロールメラミンのオリゴマーモデルとしてのメラミン3核体の構造に関する分子軌道法による考察 (2) 捩れ型のメラミン3核体モデルとメラミンオリゴマーの立体構造モデル:メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第11報)
- ジシアンジアミドの構造
- N, N′-ビス (3, 5-ジアミノ-トリアジニル) ジアミノメタンの合成と紫外吸収スペクトルに関する分子軌道法による考察:メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第8報)
- シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応-第8報-:シアノグアニジンーホルムアルデヒド樹脂液の魚および微生物に対する影響評価
- 1 尿素の強制的条件下におけるヒドロキシメチル化反応
- 8 シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応:(その7) アミジノ尿素のホルムアルデヒドに対する反応性
- 2種のジメチルウレア-ホルムアルデヒド縮合化合物の結晶構造
- 4-シアノイミノ-3-メトキシメチル-パ-ハイドロ-1, 3, 5-オキサジアジンの生成機構
- 窒素を含有する生分解性プラスチックの生分解性
- 5 1,3-ジメチルウレアーホルムアルデヒド縮合物とKSCNとの複合体の合成と構造
- インビーム法によるシアノグアニジン誘導体の質量スペクトルおよびモノアルコキシメチルシアノグアニジンとホルムアルデヒドの反応生成物の同定
- 2 ヒドロキシメチルシアノグアニジンおよびメトキシメチルシアノグアニジンの加水分解反応
- 3 シアノグアニジンとホルムアルデヒドとの反応 (その9):ジアミノメチレンウレア塩酸塩の構造と反応性
- 新奇生分解性プラスチックの生分解に関する研究
- 9 テトラメチルジメチレンジ尿素および類似構造をもつ数種の化合物の金属イオン捕獲能について
- 19. メチロールメラミンの球晶 (第一報)
- 3 メチロールメラミンの分子種分布
- 33. ヘキサメチロールメラミン結晶のX線・電子線回折図による分子構造の決定
- 18. メチロールメラミンのペーパークロマトグラフおよび紫外分光分析による検討
- 12 メトキシ化メチロールメラミンの熱硬化機構
- 2-11 メチロールメラミンの単離
- 13 固相粉末状メチロールメラミンの熱硬化機構の檢討 (II)
- メチロールメラミン低縮合物の熱硬化機構
- 12. 紫外分光分析によるメチロールメラミンの検討 (II)
- 20 固相粉末状メチロールメラミンの熱硬化機構の検討
- 架橋剤としてアルキル化メチロールメラミンをもちいる電着塗装の検討