N, N′-ビス (3, 5-ジアミノ-トリアジニル) ジアミノメタンの合成と紫外吸収スペクトルに関する分子軌道法による考察:メチロールメラミンの電子的性質に関する分子軌道法による研究(第8報)
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概要
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N, N′-bis (3, 5-diamino-triazinyl) diaminomethaneはメラミン2核体の基本化合物と考えられる。ここではこの2核体をメチレンビス尿素の合成法に従って合成した。得られた試料の燐酸分解ヨーソ法により求めた全結合ホルムアルデヒド量は14.2%となり, 縮合度を2と仮定した場合, 得られた試料の主成分は2核体で, ついで2核体のモノメチロール化物, その他の関連化合物を含むと考えられた。以上の結果は液体クロマトグラムの測定を行なって確認した。液体クロマトグラフを用いて2核体を分取し, 塩酸酸性にして紫外吸収スペクトルを測定した。また2核体のカチオンモデルを仮定し, CNDO/CI法を用いて紫外吸収スペクトルの理論曲線を求めた。その結果つぎのような結果を得た。<BR>(1) 酸性水溶液中の2核体の紫外吸収スペクトルは212nmと240nmにλ<SUB>max</SUB>をもつ2つの吸収帯を示し, その形状はメラミンやモノメチロールメラミンの吸収スペクトルに類似している。<BR>(2) (1) の結果と計算結果を比較すれば, 2核体においてはCH<SUB>2</SUB>基を介して結合したメラミン環のπ電子間の相互作用は比較的小さく, メラミン環の電子的性質が強く残っている。<BR>(3) 酸性水溶液中の2核体の吸収スペクトルは2個のメラミン環のN電子にプロトンが付加したジカチオンによるものと考えられる。
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