P4-10 Muckle-Wells症候群におけるNLRP3体細胞モザイク変異の検討
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概要
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Cryopyrin-associated periodic syndrome(CAPS)は,NLRP3遺伝子の機能獲得型変異によりIL-1βの過剰産生が惹起され,炎症を生じる自己炎症性疾患である.CAPSには,家族性寒冷蕁麻疹(FCAS),Muckle-Wells症候群(MWS),CINCA症候群/NOMIDが含まれる.これら3つの疾患は,遺伝子型と表現型にある程度の相関が見られ,軽症型のFCASから最重症であるCINCA症候群/NOMIDへと一連の症状群として捉えることができる.近年我々は,NLRP3遺伝子にgermline変異が認められないCINCA症候群/NOMIDの約70%がNLRP3体細胞モザイクで発症することを国際多施設共同研究で示した.CINCA症候群/NOMID以外のCAPSにおいてもNLRP3体細胞モザイクが病因となる可能性が推測されたため,今回我々は臨床的にMWSが疑われるもののSanger法でgermline変異が認められない患者に対し,次世代シーケンサーを用いてNLRP3体細胞モザイクの検索を行った. 結果,上記の"変異陰性MWS患者"56人のうち7人にNLRP3体細胞モザイク変異を認めた.認められた変異は6種類で,うち3種類は新規変異であった.新規変異については,2つの機能解析の系において,いずれの変異も病的変異であると考えられた.また抗IL-1製剤が投与された症例では全症例でその効果が確認された. CINCA症候群/NOMIDだけでなくMWSが疑われる症例においても,Sanger法にてNLRP3変異が認められない際には,NLRP3体細胞モザイクの検索が必要と考えられた.
著者
-
小林 法元
信州大学医学部小児科
-
武井 修治
鹿児島大学 医学部保健学科
-
小原 收
かずさdna:理研rcai
-
河合 利尚
国立成育医療研究センター免疫科
-
梅林 宏明
宮城県立こども病院
-
八角 高裕
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
井澤 和司
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
河合 朋樹
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
西小森 隆太
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
平家 俊男
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
中川 権史
京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
-
梅林 宏明
宮城県立こども病院 総合診療科
-
Eva Gonzalez-Roca
Immunology Department-CDB. Hospital Clinic-IDIBAPS. Barcelona. Spain.
-
Arostegui Juan
Immunology Department-CDB. Hospital Clinic-IDIBAPS. Barcelona. Spain.
-
小原 收
かずさDNA研究所
-
小林 法元
信州大学医学部 小児医学講座
-
武井 修治
鹿児島大学医学部 保健学科
-
河合 利尚
国立成育医療研究センター 免疫科
-
河合 利尚
国立成育医療センター免疫科:国立成育医療センター成育遺伝研究部
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