W8-3 PAPA症候群・壊疽性膿皮症における好中球の過剰反応
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概要
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免疫担当細胞の中で好中球は末梢血中で最も数が多く,また最も寿命の短い細胞群である.様々な受容体を発現すると共に,刺激に適切に反応し殺菌に関与し,炎症を終焉に向かわせる.また免疫調節に働く作用も有する.近年,様々な炎症性疾患における好中球の役割に注目が集まっている. PAPA症候群はPSTPIP1の変異による自己炎症性疾患である.PSTPIP1変異は壊疽性膿皮症においても観察されている.PAPA症候群患者の多くでは無菌性関節炎や嚢腫性ざ瘡,無菌性膿瘍,壊疽性膿皮症がみられ,また様々な臓器障害をきたすが,どの免疫細胞にどのような異常があるかはわかっていなかった. 私達はPAPA症候群患者にみられる無菌性関節炎や無菌性膿瘍において好中球が多く浸潤していることに着目し,その機能解析に着手した. まずPAPA症候群患者の好中球を用いてそのapoptosisや活性酸素産生を測定したところ,apoptosisの亢進や活性酸素産生の増加が観察された.PSTPIP1変異とこれらの好中球機能亢進との関係は未知であることからまず,in vitroでの病態の再現を目的として,患者と同様の変異を有するPSTPIP1組換えタンパクの健常人好中球への発現を試みている.現在までのところ,私達が今まで検討してきた方法を利用して(Nature Immunol,2012)効率良く好中球へのタンパク発現に成功している. 本学会ではPSTPIP1変異による好中球機能異常の病態解析結果につき,詳細に紹介したい.
著者
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森尾 友宏
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科眼科学分野
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水谷 修紀
東京医科歯科大学 大学院 発生発達病態学 小児科学
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森尾 友宏
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野
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水谷 修紀
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野
-
重野 美湖
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野
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熊木 恵里
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野
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